今回は屋根のデザイン形状の一つである「マンサード屋根」についてご紹介します。
突然ですが、マンサード屋根は切妻屋根、片流れ屋根、陸屋根と比較してその言葉だけでも独特な感じがしませんか?その原因は、ずばり、マンサード屋根という言葉から形が想像しにくいからではないでしょうか?陸屋根や非常に勾配が緩い屋根をフラットルーフということがありますが、フラットという言葉から何となく形状のイメージは可能でしょう。マンサードとは形を示す言葉なのでしょうか?そもそもなぜこの屋根だけカタカナなのか?マンサードって何?そんな疑問の答えをお話いしていきます。
マンサード屋根の形とは?
マンサード屋根は、下部が急勾配で、上部が緩やかな勾配の2段階の斜面を持つフレンチスタイルの屋根です。下部の急な斜面には窓が取り付けられることが多く、居住スペースの拡張、屋根裏部屋の確保に役立ちます。


一般的な住宅で採用されることはあまり多くはありません。上部が緩やかな勾配、下部が急な勾配という勾配が二段階に分かれることで内部の住空間を確保できるという利点がありますが、どうしても切妻屋根や片流れ屋根などほかの屋根に比べて構造が複雑になり、コストがかかってしまうという難点があることが理由と考えられます。
マンサード屋根と言われる理由、マンサードって何?
実は「マンサード」という言葉は、17世紀フランスの建築家フランソワ・マンサール(François Mansart)の名前に由来しています。マンサールは、この特徴的な二重傾斜の屋根デザインを普及させたことで知られていますが、彼自身がこの屋根スタイルを発明したわけではありません。ただし、マンサールの設計した建築作品によってこのスタイルが広まり、結果的に彼の名前が屋根の形状に結びつけられるようになりました。
というわけで、マンサール からの マンサード だったのです。
ちなみにマンサード屋根をフランス語では「toit mansardé」、英語でも「Mansard roof」と表現されています。フランソワ・マンサールの功績は世界共通として脈々と現代の建築に続いていると言えるでしょう。
マンサード屋根をもつ建築の代表例

フランスのバロック建築の最高傑作の一つとして世界的に有名なベルサイユ宮殿です。この宮殿の印象的な特徴の一つとして、その洗練されたマンサード屋根があります。
ベルサイユ宮殿のマンサード屋根は、その大規模な建築物に見事に統合されています。屋根の下には、豊かに装飾された窓が並んでおり、光を室内に取り入れると同時に、外観の美しさを高めています。また、この屋根は、宮殿の壮大さを強調するために、細部にわたって精巧に装飾されています。金箔で飾られた装飾や複雑な彫刻は、バロック様式の特徴を際立たせ、王室の豪華さと権威を象徴しています。
さらに、マンサード屋根は機能的な側面も持ち合わせています。この屋根の形状は、内部の居住空間を最大限に活用することを可能にしており、宮殿の壮大さを内部空間の広さとともに示しています。このように、マンサード屋根はベルサイユ宮殿の美学的および機能的な側面の両方に貢献しているのです。
総じて、ベルサイユ宮殿のマンサード屋根は、その洗練されたデザインと機能的な側面を通じて、この歴史的な建築物の魅力を高めています。フランス王室の力と優雅さを象徴するこの屋根は、今日でも世界中の建築愛好家を魅了し続けています。
まとめ
日本での事例は多くありませんが、見つけた際にはその独特な形を眺めてみたり、その形状が採用された理由について思いを馳せてみたりするのも面白いかもしれません。また、もしフランスへ行く機会がありましたらヴェルサイユ宮殿の豪華絢爛な装飾とともに、マンサード屋根にも目を向けて見てはいかがでしょうか。

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