建築のデザインと省エネルギー。近年、地球温暖化やエネルギー資源の問題が深刻化してきた中で、建築のデザインにおいても省エネルギーが重要なキーワードとなっています。これは単に電気を節約することだけではありません。日射熱のコントロール、断熱性の向上、自然光の取り入れ、風の流れを活用した通気設計など、建物自体の機能を高めることでエネルギー消費を抑える試みが行われています。省エネルギー性に注目が集まる中で、世界中に多くの優れた建築物が存在します。その中から今回、2つの代表的な建築物を紹介します。
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設計者: The Miller Hull Partnership
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Bullitt Centerは「世界で最も緑のオフィスビル」として知られています。この6階建ての建物は、100年以上の寿命を持つことを目指して設計されており、雨水の収集と浄化システム、太陽光発電パネル、地下に深く突き刺さる地熱交換システムなど、持続可能な技術が随所に取り入れられています。ビル全体で必要なエネルギーの大部分を生産することができるため、非常に高い創エネ、省エネ性能を実現しています。
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設計者: PLP Architecture
- このオフィスビルは、多くの環境技術を導入しており、「世界で最も持続可能なオフィスビル」としてBREEAM(建築環境評価手法)から最高評価を受けています。太陽光発電パネル、天窓からの自然光の活用、建物内のセンサーを使った最適な温度・照明のコントロールなど、最新のテクノロジーを駆使して、効率的なエネルギー管理を実現しています。なんとその管理技術により、社内の、どのコーヒーメーカーにコーヒーの補充が必要かまで分かるようになっているそうです。福利厚生にまで配慮されている地球と人にやさしいテクノロジーを有した建築といえるのではないでしょうか。
これらの建築物は、省エネルギー性を追求するだけでなく、素晴らしいデザインに加え、快適で働きやすい環境を提供することを目的として設計されており、持続可能な未来の建築の方向性を示しています。
bandesignでもデザインと省エネルギーの両立を目指すことで、美しさと機能性を両立させた新しい建築の形を提案することに努めています。ガラス張りの事務所ビルや商業施設、住宅でも規模は異なっても、断熱材や窓ガラスを工夫して使用することなどで、冷暖房の効率を上げ、エネルギー消費を削減を図ろうとします。
省エネルギーを取り入れた建築のデザインは、未来の持続可能な都市づくりの方向性を示すものと言えるでしょう。私たち一人一人が、日常の中でのエネルギー消費に意識を向けることと同様、建築のデザインを通しても地球環境を守る取り組みが求められていると感じています。