マンションエントランスホール

マンション共用部のデザインについて  

マンションの共用部、エントランスや廊下などは、単なる通過点ではなく、住む人々の生活品質を高める重要な空間です。エントランスホールは最初の印象を決定づける場であり、上質な素材と照明を用いたデザインが重要です。また、セキュリティシステムを適切に設け、安全性を確保しつつも利便性、意匠性を損なわないよう配慮する必要があります。
廊下についても住戸までのアプローチとしてプライバシーの確保や音への配慮など重要なデザインポイントは多いでしょう。このように共用部デザインは様々なことに配慮して進められます。今回はマンションの共用部のデザインについてお話します。

エントランスホールのデザインポイント

マンションのエントランスホールのデザインにおいて、高級感や安心感を生み出すための主要なデザインポイントを挙げます。

素材の選択

高級感を生み出すためには、質の高い素材を選ぶことが重要です。大理石、天然木、ステンレス、アイアンなどの素材を用いることで、エントランスホールに高級感と堅牢さを与えます。なお、経済性とのバランスを考えた場合、それらの素材を模した代替品として塩ビタイルやサンドブラスト加工をしたようなアルミ素材などをうまく使うことで理想的な高級感に近づけるデザイン手法もあります。

照明の工夫

照明は空間の雰囲気を大きく左右します。間接照明やアクセントライトを使用し、暖かみのある光で空間を柔らかく照らすことで、安心感とラグジュアリーな雰囲気を生み出します。エントランスホールを敢えて暗めの照明とし、落ち着きを感じさせるデザインとするマンションも多いでしょう。

色の選択

色は感情に直接影響を与えます。落ち着いた色合いや暖色系の素材を使用することで、来訪者に安心感を与えつつ、高級感を演出できます。ベースカラーとアクセントカラーのバランスに配慮しながら全体的にトーンを合わせデザインすることで心地よい空間とすることができるでしょう。

セキュリティの統合

安心感を提供するためには、セキュリティシステムを適切に統合することが必須です。カメラやインターホン、セキュリティゲートなどを設置し、同時にデザインに溶け込ませることが求められます。マンションの規模によっては管理人室が設けられることもあります。機械的な方法、人為的な方法両面から望ましい方法を検討する必要があるでしょう。

アートワークと装飾品

エントランスホールに適切なアートワークや装飾品を配置することで、空間に深みと品格を加えることができます。これらは高級感を際立たせるだけでなく、他の建物との差別化を図ることができます。

自然要素の取り入れ

植物などの自然要素を取り入れることで、エントランスホールに生命感と癒しの空間を提供できます。また、これは訪問者に対して心地よい印象を与え、安心感を高めます。屋内に観葉植物を設けたり、水流を演出したり、窓ガラス越しに景色を望むようにできれば季節や潤いを感じられるデザインとすることができるでしょう。

これらの要素をバランスよく取り入れることで、マンションのエントランスホールは高級感と安心感、心地のよさを兼ね備えた、魅力的な空間とすることができるでしょう。

居住者専用の共用施設

共用施設の事例としてはフィットネスルームやシェアオフィススペース挙げられます。
住人が気軽に利用できるように24時間アクセス可能であると良いでしょう。こうした施設には最新の機器や快適な座席を配置し、利用者の幅広いニーズに対応できるようにすることが求められます。その設備及びそこへ至るまでのアプローチも含め、音の発生には十分配慮し、騒音問題が生じないよう配置計画、構造設計、仕上げ材の選定などをする必要があります。
建物面積や予算に余裕がなければ困難と感じるかもしれませんが、共用施設を充実させることで差別化が図れ、収益性を向上させることができる可能性もあります。

屋上空間

都市型住宅において屋上は貴重なアウトドアエリアとなります。居住者のコミュニケーションの場としたり、リラックスするための緑豊かなガーデンや座席エリアを設けることで、快適な憩いの場としたりすることができます。また、屋上農園やバーベキュースペースの設置は、コミュニティ感を高め、アクティビティの充実を図る手段となり得ます。
例えば花火大会が有名な地域では、屋上を開放し、居住者専用の特別な観覧スペースが用意されることを魅力の一つとしている例があります。

まとめ

これらの共用部のデザインにおいては、常に居住者の生活の質を向上させることを目的に、洗練された意匠性と実用性がバランス良く組み合わさる必要があります。 また、計画する建物の個性や地域性から生まれるニーズに合わせてデザインされ、使いやすさ、アクセスの良さ、機能性を考慮することが重要と考えています。また、これらのスペースは、住人が互いに交流し、コミュニティの場となるように、開放感を持たせたり、様々な使われ方に対応できるよう柔軟性を持たせたりすることも重要でしょう。
マンションの計画は事業用案件、収益案件と呼ばれることがあるように収益性が重視されます。その収益性を図るわかりやすい指標が住戸の広さ、部屋数ではありますが、それは空室が生じないことで有効に計上できるものになります。居住者が長く、快適に、住み続けるためには共用部を充実させることも実は有効な手法だと考えています。

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