神棚

神棚の計画ポイント

住宅の計画においてお仏壇を納める場所やその要否はプランに大きく関係するので毎回お施主様に確認することです。そして同時に、神棚の要否についてもお話をさせていただき、プランに反映します。神棚は必ず設けなければならないものではありませんが、神社で頂いたお札を祀るためや家内安全や無病息災、住宅でなく事務所や店舗であれば商売繁盛を祈るために設けられます。今回は神棚の計画について留意する点をご紹介します。

1. 位置と方向

神棚は清浄な場所に設置する必要があります。通常、家の中で最も高い位置に設置します。1階に設け、その上に2階があるという場合は神棚スペースの天井に天や雲と書いた紙を貼ることで、「最上の所と考えています」という思いを表し、神様にお許しを頂いて、上階のプランをするというやり方があります。また、方向も重要で、南または東向きが良いとされています。これは、神道の神々は南や東から訪れるという考えに基づいています。

2. 清潔さと整頓

神棚の周りは常に清潔に保たなければならず、散らかっていると神様を迎えることができないとされています。また、神棚の近くには洗面所やトイレを設置すべきではありません。

3. サイズとデザイン

サイズは住居のスペースや住人の希望に応じて選べばよく、デザインもシンプルなものから荘厳なものまでさまざまです。従来は和室に設けられることが多かった神棚ですが、現在の住宅では和室そのものがないという場合も多くあります。洋室に合うシンプルでモダンなデザインとした神棚もありますし、インテリアに調和するようオリジナルデザインとしてもよいでしょう。必ずしも造作で設ける必要があるわけではありません。箪笥の上や棚板の上に神棚スペースを設けても良く、大切なのは神様を祀る場として大切に扱うということでしょう。

これらの点を考慮し、適切に計画を進めることが重要です。

神棚に祀られる神様について

次に一般的に神棚に祀られる神様をご紹介します。神棚に祀られる神様は、家庭や個人の信仰、商業施設や事務所であればそれぞれの建物の用途やその利用者の願いにより様々です。

1. 守護神(うちのかみ)

家庭の守護神とされています。これは、その土地や家系に関連する神様で、家を守り、家族の幸せや繁栄を願います。

2. 天照大神(あまてらすおおみかみ)

太陽神で、日本の皇室の祖神とされています。天照大神は、国や人々の平和と繁栄を祈願するために祀られます。

3. 祖霊(それい)や先祖(せんぞ)

家系の先祖や亡くなった家族。これらの霊を祀ることで、故人を敬い、感謝し、家族の絆を大切にすることを祈る場となります。

4. 七福神(しちふくじん)

七福神は、各々が商売繁盛、長寿、知恵、安全、夫婦円満など、異なる幸運や利益を象徴しています。

これらの神様は、家庭や個人の願い、地域の習慣によって異なることがあります。それでも身近に祈りや感謝を示す場があることは建築と精神文化が生活の中で一体となり素晴らしいものだと感じます。神棚を計画する際は配置や意匠だけでなく神様にも思いを馳せて計画してみてはいかがでしょうか。

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