ガレージ

ガレージハウス計画の重要ポイント

車のためのスペースは日常生活の利便性を向上することや趣味としての生活をより豊かなものにするスペースとして重要な要素です。今回は住宅と一体となったガレージ付き住宅の計画ポイントをご紹介します。

1. ゾーニングの確認

ゾーニングとは周辺環境や居住スペースなどの要素を考慮しながらそれらとの位置関係を調整し、最適な配置とすることを言います。ガレージ付き住宅に限らず、建物の計画において初めに検討する重要な過程です。ガレージという特殊、特定の用途を加味して配置には、周辺の環境として道路との位置関係をまず確認する必要があります。出入りが安全かつ円滑かという配慮が必要です。次に格納する車両の車種、台数に応じて必要な面積や高さを確認する必要があります。さらにリビングや趣味部屋といったガレージ以外の屋内からの動的アクセスや視線のアクセスを考慮して配置を決定します。

2. 法令

当然ですが建築に関する法律や規制に従う必要があります。建築基準法は多くの法令がありますがガレージ付き住宅の計画において留意すべき点の一例としては床面積・容積率、採光、換気、防火が挙げられます。

床面積については細かく2種類あり、まず一般に言う床面積。こちらは柱や壁などの区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積となります。こちらについては屋根の有無、屋内的用途の有無で判断され床面積に計上するか否かが判断されます。次に容積率算定のための延べ床面積というもの。容積率とはその敷地に建てられる最大の床面積を示すもので例えば敷地面積100㎡で容積率200%と決められている場所では100×2=200㎡までの床面積が認められます。この例に挙げた200㎡に計上する床面積は実は先の ” 一般に言う床面積 ”とは少し異なり、少し複雑な条件が加わります。それは、延べ床面積の5分の1までのガレージのための床面積は容積率算定のための延べ床面積には算入されないというものです。つまり建物200㎡+ガレージ40㎡の建物を建てるとすると、延べ床面積は240㎡。容積率算定のための延べ床面積としてはは240㎡x1/5=48㎡までを限度としてガレージ面積を控除することができます。ですからこの例ではガレージ面積(40㎡≦48㎡)すべてが不算入となり容積率算定のための延べ床面積はガレージ面積を除く200㎡となります。この緩和規定を適用することで床面積の制限を受ける中で居住面積の確保の助けとすることができるでしょう。

採光についてはガレージが居室扱いかどうかで必須か否かの判断となります。作業スペースなどがあると居室扱いとなる場合がありますのでガレージの利用の仕方、採光の要否は必ず確認が必要です。

ただ、法的に必須ではないとなっても換気や明かり取りのためにある方が望ましいでしょう。

換気についても採光同様に居室扱いかどうかで必須か否かが判断されます。居室である場合はガレージ床面積の1/20以上の換気のための開口部が求められます。しかしこちらも採光同様に、空気環境を良好にするためにも窓はある方が望ましいと考えます。また換気についてはセキュリティにも考慮して窓ではなく換気扇を設ける手法もあります。

防火について、自動車車庫は3階以上に設けた場合は耐火建築物に、またはその床面積150㎡以上であれば耐火建築物か準耐火建築物にする必要がある特殊建築物となります。簡潔に言うと耐火要件が厳しくなるということです。住宅ではこの点に該当するケースは多くないと思われますが、そうでなくても特にガソリン車の場合、可燃性の燃料を搭載した車が屋内にあることになりますので規模にかかわらず耐火性に優れた壁や不燃材で内装を仕上げるなどの配慮をすることが望ましいでしょう。

3. ガレージのサイズ

車の種類や数、ガレージ内での動線を考慮して、ガレージの大きさを選ぶ必要があります。また、将来的な需要も考慮し、余裕をもって設計することが望ましいです。

4. セキュリティ

ガレージのセキュリティも重要です。盗難や侵入から守るために、適切なセキュリティシステムを設置することが望ましいでしょう。

これらのポイントを留意して計画することで使いやすく、安全なガレージハウスを実現することができるでしょう。

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