以前、「給水方法の種別とその特徴について」という記事にて間接給水方式 (タンク方式)をご紹介しました。貯水槽は安定的な給水を可能とするために重要な役割をしますが、設置場所やメンテナンスなど重要な点がいくつもあります。今回は貯水槽の設置に関する留意事項を設計段階と利用段階(維持管理)に分けてご紹介します。
設計段階の留意事項
- 位置とアクセス性: 貯水槽はメンテナンスが必要なため、アクセスが容易な位置に配置することが重要です。そしてメンテナンスのため上部に1m以上、下部と四週に60cm以上の空きが必要とされています。また、敷地奥への設置の場合、埋設する水道管の距離に応じコストが上がることになる点に注意が必要です。さらに美観に配慮すると敷地の表側に貯水槽を設ける場合、ルーバーなどでの目隠しがなされるとよいでしょう。貯水槽の設置位置は地上、建物上、地下が考えられます。経済性で言えば地上が最も良いでしょう。省スペース性に配慮する場合、建物上や地下に貯水槽スペースを設けることになります。建物上の場合、水の荷重を支えるための構造の検討をすることが重要です。いずれの場合もメンテナンス性に配慮したアクセスを確保する櫃夜があります。
- サイズと容量: 使用予定の水量や予備容量を考慮し、適切なサイズの受水槽を選択します。建物の規模、用途、水栓の数などにより計算されます。衛生面への配慮から貯水量はその建物で1日に使われる量の半分程とされています。水の仕様に応じて水道本管から貯水槽へ給水されるので不具合がない限り、水が貯水槽の中で枯渇するということはありません。
- 材質選定: 使用する水の質や用途に合わせて適切な材質を選択します。耐腐食性や経年変化も考慮に入れる必要があります。ステンレス製やFRP製のものがあります。ステンレス製のものが対候性が高いという利点があります。FRP製の場合、比較的安価であるという利点がありますが、光を透過し、藻が発生しやすいといわれているため、清掃時は一層注意する必要があるでしょう。
- 絶縁: 外部の熱や冷気の影響を受けにくいよう絶縁を施す必要があります。遮熱塗料を用いられたり、断熱性に優れた材を使うことで熱を遮断し、貯水の温度を一定に保ったり衛生確保したりすることが図られます。
利用段階(維持管理)の留意事項
- 定期的な点検: 貯水槽の状態や水質を定期的にチェックし、清掃や必要に応じて修理を行うことが重要です。衛生の確保は最重要事項といえます。また、適正な管理により、大改修や更新が必要になることを避けられる場合があります。総合的にコストを勘案しても、定期的なメンテナンスは必須といえるでしょう。
- 清掃: 藻の発生や汚れが溜まりやすいので、定期的に清掃を実施します。受水槽には2層式という方式があり、一方を清掃している間、もう一方の水のみで給水を行うことができます。これにより断水を避けることが可能となります。また、貯水槽が地上にある場合、周囲に雑草やゴミがないようにしましょう。貯水槽は水抜き管や通気管が空気中に開放されています。虫などが入らないよう防虫網が設置されていますが、周囲が清潔であることで水質汚染のリスクを下げられます。
- 漏水の確認: 受水槽や接続部分に漏水がないかを定期的に確認し、必要に応じて修理や補強を行うことが重要です。水道利用料を確認し、著しく違いがある場合、漏水が起こっているかもしれません。臨時の点検をすることが望ましいでしょう。
受水槽の設置と運用には多くの留意点がありますが、これらを適切に管理することで、安全に安定的な水供給を行うことが可能となるでしょう。
