オフィス照明

照明計画について運用コストを抑えるための重要ポイント

建物を運用する中で照明器具にかかるコストは空調と並び大きな割合を占めます。オフィスビルでは利用形態の違いにより変動しますが全消費エネルギーに対して約20%程を占めるといわれています。今回は照明設備の計画において、運用中のコストを抑えるための重要なポイントをご紹介します。

1. エネルギー効率

高効率の照明器具を選択することで、消費電力を削減できます。例えば、LED照明は従来の蛍光灯や白熱灯に比べて高いエネルギー効率を持ちます。初期投資は高い場合があるものの、長期的な電気料金の節約が見込めるでしょう。

2. 制御技術の導入

自動制御機能を利用することで無駄な電力消費を削減することができます。いくつか自動制御機能の例をご紹介します。

  • タイマー制御:照明器具に付随する機器で時間設定を行い、照明の点灯、消灯時間を自動制御する機能です。これにより利便性が向上し、かつ消し忘れ防止による電力消費を抑えます。エントランスポーチや屋外アプローチ、看板用の照明などに採用されています。
  • 人感センサー制御:人感センサー機能付き照明器具を採用することで消し忘れによる照明エネルギー浪費を抑えることが可能です。トイレや階段室など利用が間欠的になる部分に適します。
  • 昼光利用制御機能:昼光利用制御機能のある照明器具であればセンサーにより昼光 (太陽からの光) の量を感知し、照明の明るさを調整することができます。自動で過剰な明るさとなることを抑え、省エネルギー運用に寄与します。

3. 自然光の利用

建物の設計段階で、自然光を最大限に活用する計画を立てることで、昼間の照明の使用を減少させ、コストを抑制できます。例えば、採光窓や天窓の配置、反射材の利用などが挙げられます。奥行きがあるビルなどで建物の奥に光を届けようとする目的で天窓を設けて吹抜け空間にしたり、天井内に高反射率ミラーを設置し、光を反射しながら奥へ届ける光ダクトを設けるといった手法があります。伝統的な長屋でみられる建物奥に中庭を設けることも自然光を利用し、光を室内に導こうとする手法の例です。

4. 照明計画の最適化

一定の照度を確保するために必要な照明器具の数や配置を最適化することで、過度な設備投資や運用コストを抑えることが可能です。適切な照明計画は、室内の目的や使用シーンに応じて変わるため、詳細な検討が必要です。大きく分けて3つの照明方式があります。

  • 全般照明:部屋全体を一様な計画で規則的に照明器具を配置し、部屋全体を明るくする方式です。照明効果が均一であることでそのエリアでの配置計画に自由度が生まれます。
  • 局部照明:作業面や展示棚などの必要な箇所のみに照明を当てる方式です。目的に応じて個別に的確に照明を計画することで無駄なく効果を得られます。
  • タスク・アンビエント照明:全般照明と局部照明の併用方式です。タスクとは作業面などの局部を指し、アンビエントは環境、全体を指します。併用によりそれぞれの長所を利用します。作業用照度は局部照明で確保し、環境照明は最低限の全体照明とすることで不自由のない十分な明るさと省エネルギー性を獲得することを図ります。ただし全体と局部の明るさの差が大きいと目の疲労となるので全般照明の照度は局部照明の1/10以上は確保することが望ましいとされています。
    これらのことから運用する中で照明コスト (照明にかかる電気代) の低減を期待するならばタスク・アンビエント照明が効果的といえるでしょう。

5. 照明器具の寿命とメンテナンス

長寿命の照明器具を選択することで、交換の頻度やメンテナンスコストを抑えることができます。また、定期的な点検・清掃で照明の品質を維持し、予期せぬ故障や早期の交換を避けることが重要です。

これらの要点を照明設備の計画に取り入れることで、運用中のコストを効果的に抑制することができるでしょう。

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