オフィスエアバリア

快適な室内環境を獲得するための、エアバリア、エアフローウィンドウとは?

エアバリア、エアフローウィンドウとは、建築の省エネ対策として窓際に取り入れられる技術の一部です。窓の近くは夏季には太陽による日射、冬季には外部の冷気の影響を受けやすい部分です。今回ご紹介する2つは室内の快適さに影響し、空調負荷となってしまう状況を改善するための手法です。これらの形態や効果、注意点をご紹介します。

1. エアバリア

エアバリア
  • 形態: エアバリア方式は、窓際において下方から空気を吹き出し、天井でその空気を回収するようになっています。夏の日射熱や冬の冷気が窓を介してそのまま室内に放熱されることを抑制することが目的です。熱または冷気を吹き出す空気 (エア) に乗せて室内に及ぼす前にバリアする、だからエアバリアです。このとき、吹き出す空気は室内空気であることが特徴です。ダブルスキンは2重の壁をつくり、そこへ屋外空気を流すことで熱負荷を軽減する機構となっています。

  • 効果: 外気の熱や冷気の侵入を抑えることで、冷暖房の効率を向上させ、エネルギー消費を削減することができます。また、温度の変動が小さくなるため、室内温度の安定化や快適性の向上も期待できます。

2.エアフローウィンドウ

エアフローウィンドウ
  • 形態: エアフローウィンドウ方式は、二重のガラスを配置し、その間に通気層を持つ構造を持つ窓です。この通気層に送風ファンにより室内空気を流し、夏は温められた空気、冬は冷気が室内へ広がらないようにする仕組みを持っています。外部からの影響を受けやすい窓際において空気を吹き出し 、室内環境の安定化を図ろうとする目的はエアバリアと同様です。エアバリアとの違いは、空気が流れる通気層が窓に組み込まれ、閉じているという点です。空気 (エア) が流れる (フロー) する窓 (ウィンドウ) 、だからそのままの意味ですが、エアフロ―ウィンドウです。

  • 効果: この方式により、窓を通る熱の移動を効果的にコントロールすることができます。夏は室内の過熱を防ぎ、冬は室内の冷却を抑制することで、冷暖房の効率を向上させることが期待できます。ガラスの間を通気層としていることで熱や冷気の不要な拡散が抑えられ通気経路にロスが少ないためエアバリアに比べて効果が高いという利点があります。

3.注意点

エアバリアもエアフロ―ウィンドウも吹き出し空気に乗せて室内に望ましくない影響を与える熱、冷気を除去しようとするものだということがお分かりいただけたかと思います。それぞれの形態の違いによる注意点もご紹介します。エアバリアは空気の吹き出しから天井で回収するまでの間は閉鎖されていないことが一般的です。場合によっては明るさの調整やプライバシーの確保からブラインドやロールスクリーンがありますが開放された状態になっています。このため吹き出し空気が熱負荷となる除去したい空気を掴み、天井へ運び、回収するといった流れが完全になされるわけではないという注意点があります。ただ一方、閉鎖されていないことで窓ガラスの清掃、メンテナンスが用意というメリットがあります。
エアフロ―ウィンドウの方はガラスとガラスの間を通気層としています。エアバリアとは逆にガラスやブラインドの清掃が容易ではないという注意点があります。また、これは大変難しい問題ですが結露が発生することがあるためガラスの選択、通気を行う期間などその土地の気候に合わせた利用形態の工夫にも注意が必要となります。

エアバリア、エアフロ―ウィンドウは、現代の建築技術において省エネルギー性と快適性を向上させるための重要な技術の一つです。それぞれの方式が最も効果的に機能するためには、適切な設計と施工が不可欠です。省エネで快適な室内環境を実現するための方策の一つとして、積極的に検討するとよいでしょう。

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