ビルガラス

 熱線吸収板ガラス、熱線反射ガラスとは?

太陽の放射熱を効果的にコントロールするためのガラス技術です。今回はこれらのガラスの特徴や採用に当たり重要なポイントご紹介します。

1. 熱線吸収板ガラス

このガラスは、太陽からの放射熱の一部を吸収する特性があります。熱を吸収しやすいようガラスを製造する過程で原料に鉄やコバルトなどの金属を付加して着色するためグリーンやグレー、ブロンズに見えます。また、ガラスに色がつくことから意匠性が高まる一面もあります。ガラス自体が日射の30~40%程を吸収することで、内部への熱の進入を減少させ、冷房負荷の低減に効果があります。ただし熱を吸収したガラスはわずかに変質します。ここへフィルムを貼ってしまうと熱がこもりやすくなり割れてしまう可能性があります。この点に注意し、計画することが重要です。

2. 熱線反射ガラス

このガラスは、太陽からの放射熱を反射する特性を持っています。熱線を反射することで、室内への熱の侵入を減少させることが可能です。これにより夏場の冷房負荷を大きく削減することが期待できます。熱線反射ガラスは製造の過程で金属膜をガラスにコーティングします。金属膜が光を反射するためハーフミラー効果があり、視線を適度に遮るという効果も同時にあります。また、ミラー効果によりガラスに外部空間が反射し、空や周囲が映り込むことで外観を演出する効果もあります。 反射ガラスの製造において、反射材として主に使用される金属や金属酸化物の薄い膜についてもう少し詳しくご紹介します。

  1. シルバー(Ag): シルバー膜は非常に効果的な熱線反射膜です。低放射率(Low-E)ガラスの主要な成分としても使用されます。

  2. チタン酸化物(TiO2): 一部の熱線反射ガラスでは、チタン酸化物膜が用いられることもあります。

  3. その他の金属: 金(Au)、銅(Cu)、クロム(Cr)など、他の金属やその合金も反射膜として使用されることがあります。

  4. 金属酸化物: 亜鉛酸化物(ZnO)、スズ酸化物(SnO2)などの金属酸化物も熱反射性の向上や特定の光学的特性を持たせる目的でコーティング材料として用いられることがあります。

これらの薄膜をガラス表面に高度な技術を用いてコーティングされ、太陽熱を効果的に反射します。また、ガラスの熱伝導率を低下させることで、建物内の熱の流出や流入を減少させ、エネルギー効率を向上させる役割を果たします。 それにより建物の熱環境を最適化し、空調のためのエネルギー消費を減少させ、空調コストを抑えることができる仕組みとなっています。

暑い夏では太陽から受ける日射は遮りたいものです。一方冬場では太陽の熱を室内に取り込みたい場合もあります。日当たりのよい窓では太陽の熱を受け入れることで温かさを補うことを期待できます。この点で高い反射性をもつガラスは不利になってしまいます。したがって、ガラスの選択は設計段階で、建物の向き、地域の気候、窓の位置などを考慮して、最適なガラスを選ぶことが重要です。冬場の太陽熱の取り込みを重視する場合、他のガラスの種類や庇や外部ルーバーとの併用など設計方法を検討することも重要です。

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