建物が運用される中で空調設備に必要とされるエネルギーはとても大きく、CO2削減、地球温暖化防止のために省エネルギー性が一層求められる近年、省エネルギー性を高めることは重要な課題となっています。事務所建築においては消費エネルギーの約50%は空調のためのエネルギーといわれています。今回は省エネルギー性に向上のための空調計画についてご紹介します。
1. エネルギー効率の高い機器選定と制御システム
省エネルギー性の高いエアコンやヒートポンプなどを採用することが重要です。省エネルギー性に優れる機器の指標としてエネルギースター認証制度があり規定された基準をクリアした製品に与えられます。機器選定の参考にするとよいでしょう。そして運用においてセンサーやタイマーを活用して、使用していない時間帯や空間には冷暖房を適切に制御し、無駄なエネルギー消費を防ぐことが重要です。
2. 自然換気の促進
風通しを最大限に活用するためのデザインを取り入れることで、冷房使用のためのエネルギーを削減することが可能です。一般的に温かい空気は上に、冷たい空気は下に滞留します。夏場であれば建物の上方に換気窓を設けることで温められた空気を放出することが可能です。屋根に設けるトップライトは夏の日差しを考慮し北向きに設けることが良いでしょう。外壁の高い位置にもうけるハイサイドライトは建物の計画地における卓越風(その地域において高い頻度で吹く風)の向きを考慮すると良いでしょう。ただし、窓は外気の熱負荷を室内に影響させやすいため適切な断熱性を持った窓とすることが重要です。
3.熱回収システムの導入
排気熱を再利用するための熱回収システムを組み込むことで、エネルギーの再利用が可能になります。熱を回収するということやそれが省エネルギー性の向上にどうつながるのかはイメージしづらいと思います。簡単に言いますと、夏場にせっかく冷えた室内において、換気のために窓を開けることは外の熱い空気が入ってくることになり室温や湿度が上昇してしまうため躊躇われるのではないでしょうか。それでも清浄な空気の導入や感染症対策のため換気はしたいものです。ここで、自然換気ではなく機械的な換気となりますが熱回収システムを搭載した換気設備を利用することで排気する「清浄ではないが冷たい室内の空気」を利用し、外から導入する「清浄だけれども熱い空気」の熱を奪うことが可能になります。こうして室内に対して清浄でかつ熱負荷の少ない空気を取り込むことが可能となります。それにより空調負荷の低減となり、省エネルギー性の向上につながります。
これらの留意ポイントを考慮することで省エネルギー性に優れる空調計画とすることができるでしょう。
