鍼灸院は鍼(はり)や灸(きゅう)を用いてツボを刺激することで体の不調を改善する施設です。
今回は鍼灸院の計画における留意ポイントをご紹介いたします。
1.空間計画
鍼灸院では静かで落ち着いた環境が必要です。待合室、カウンセリング室、施術室など、異なる目的に合わせた適切なスペースプランニングが必要です。診療ベッドのサイズと台数の検討や各施術ベッドごとにスタッフの動作領域、機械の配置スペースを考慮する必要があります。また、プライバシー確保のためのカーテンや間仕切りの設置も重要な検討事項です。
2.自然光と照明
自然光は患者の快適さと安心感につながります。鍼灸院の計画では、十分な自然光の取り入れや、柔らかで調光可能な照明設備の配置を考慮しましょう。
3.音響設計
院内は静寂性が求められますので、建築材料や内装の選択によって不快となる音響効果を最小限に抑えることが重要です。トイレスペースの位置を診療スペースから離したり、快適なBGMを流せるようにするなどの工夫が必要です。
4.快適な温度と通気性
院内の温度と湿度の管理も重要です。適切な断熱材やエアコンディショニングシステムの設置を考慮し、施術室内の空気の流れを確保するための換気設備を検討しましょう。
5.バリアフリー設計
患者の利便性やアクセシビリティを考慮して、鍼灸院の計画にはバリアフリーの原則を導入するとよいでしょう。車椅子利用者や高齢者など、さまざまな人々がスムーズに利用できるようにするために段差の解消や手すりの設置などを検討することが重要です。
これらに留意することで機能的で快適な鍼灸院とすることができるでしょう。