眼科の計画において眼科特有の医療提供のための環境や医療器具への検討が必要になります。
今回は眼科診療所を建築する際に留意すべきポイントをご紹介します。
1.診察用機器の配置
眼科医院では、眼底鏡や角膜トポグラフィー装置、屈折検査装置など、特定の眼科診察に必要な機器が使用されます。これらの機器は患者との接触が必要な場合もありますので、診察室のレイアウトを検討し、機器の適切な配置を確保します。
2.暗室の設置
眼科医院では、眼底写真や視野検査のためのフィルム現像やデジタル画像処理が必要な場合があります。そのため、暗室や画像処理室を設置し、適切な照明や換気システムを備えます。
3.手術室の要件
眼科手術室では、レーザー手術や白内障手術などが行われます。手術室は清潔かつ滅菌された状態を保つ必要があります。また、手術用顕微鏡や手術台の配置、照明の調整、消毒設備の設置などに留意します。さらに清潔な空気環境を保つため室内を周辺の部屋より高い気圧に保つよう計画する場合もあります。
4.照明と視認性
眼科医院では、診察室や検査室で視力検査や眼底検査を行います。眼科診療に適した自然光や均一な照明を提供する必要があります。また、反射や眩しさを最小限に抑えるために、適切なブラインドやカーテンも考慮します。さらに暗室が求められることがありますので遮光カーテンや調光型の照明などによる空間づくりも重要な留意点です。
5.バリアフリーデザイン
視覚障害のある患者や高齢者でもアクセスしやすいことを考慮する必要があります。バリアフリーデザインを取り入れ、段差の解消、手すりの設置、視認性の高い案内表示などを計画することが重要です。
これらに留意することで、眼科医院の機能性と快適性を向上させ、患者と医療スタッフのニーズに適した環境を提供することができるでしょう。