今回は事務所建築でのバリアフリー設計として留意すると良い点として床面のデザインについてご紹介します。
床面のデザインに配慮することは安全にかつスムーズに移動するための重要な要素です。
1.段差解消
段差は車椅子利用者にとって大きな支障となる要素であり、一般的にもつまづき、転倒の恐れがあるため極力なくすべきものです。そのためにはスロープやエレベーターを備えることが必要です。
スロープは車椅子で自走できるようにするためには屋外では1/15以下、屋内であれば1/12以下の勾配とする必要があります。
2.床面の平滑性
平滑性では平らであることと、均一に滑らかであることが求められます。
同一床面では素材を変えず、一定のすべりにくさであることが安全となります。すべりにくさが急に変わるとつまづきの原因となってしまうからです。
3.仕上げ色
同一平面での極端な色の差を使うことは避けた方がよいでしょう。
仮に同一平面で色の差が大きい場合、段差があるように見えてしまうことがあります。
4.アクセント
段差が生じる部分にはあえて目立つ色を使うことで注意喚起とすることが重要です。
階段の初めと終わりの段だけ、または階段鼻先のすべり止めの仕上げ材色を周りとは色差があるように変えることがあります。
これらを考慮して設計することで車椅子や杖を使用する人々も移動しやすい安全な床とすることができるでしょう。