東京都渋谷区の「THE TOKYO TOILET」という、渋谷区17カ所の公共トイレを生まれ変わらせるプロジェクト。
槇文彦さんが手掛けた恵比寿東公園トイレは、イカをイメージしてつくられました。
恵比寿東公園は真っ赤なタコの遊具があることから、「タコの公園」の愛称でも知られており、その対となるイカをモチーフにすることで、「タコの公園」にある「イカのトイレ」として親しまれることを狙ってのことです。
豊かな児童遊園として普段から近隣の人々に親しまれてきた公園に、休憩所を備えたパビリオンとして機能する公共空間としてのトイレをつくろうと、子どもから大人までの多様な利用者に配慮し、施設ボリュームの分散配置によって視線を制御しつつも通り抜けできる、安全で快適な空間が考えられました。ボリュームを統合する少しうねりの利いた軽快な白い屋根は、単純にイカの姿を模しているだけでなく、通風を促し自然光を呼び込む機能を有しており、明るく清潔な環境をもたらします。トイレの中庭空間の壁沿いにベンチが設けられているなど、休憩所としての機能も備えたパビリオンとして成り立っています。
ぜひ「THE TOKYO TOILET」を検索して他のお写真もご覧いただければと思います。