ガルバリム鋼板

今日は外壁や屋根材で街で良くみかけるガルバリム鋼板のお話です。正式名称は着色ガルバリウム鋼板。鋼板の防さび対策として亜鉛とアルミの合金めっきを施し且つその上に塗装された製品です。

1970年代アメリカ生まれのこの鋼板は近年の住宅で外壁材や屋根材として主に使われていますが、30年前は溶融アルミめっき鋼板とガルバリム鋼板と人気を二分していました。塩害地域での実験でアルミめっきとガルバリウムの品質が同等と分かった以降、幾分安価なガルバリウムがシェアを伸ばしました。メーカー保証の10年は、錆びによる穴あき保証ではなく着色部分の塗装の剥がれに対する保証で、塩害地域でガルバ素地でも穴があくまで最低でも15年以上、普通の場所で25年以上もつと言われています。安価且つ高性能なので外壁材として使われているのですね。
ガルバリウム、アルミめっき鋼板以外の板材は、ステンレス鋼板、銅板、亜鉛めっき鋼板、チタン鋼板などがあります。私は今まで銅板以外は使ったことがあります。アメリカ時代、チタンの鋼板をオフィスビルで採用しました。表面処理する時に電気をかけるのですが、その時間長さによって発色が変わり様々な表情をします。当時薄く淡いピンクを選んだのを覚えています。bandesignの作品、Involveには亜鉛めっきステンレス鋼板を採用しました。風合いがとても良く自然で深みがあるグレーです。琵琶湖にある佐川美術館の屋根と同じ材料です。佐川美術館は長い時間経過を経て今は自然なグレー色になっているのが印象的です。銅板も神社仏閣などの屋根材に古くから使われてきた材料です。近年の酸性雨と相性が悪くあまり使われなくなりましたが、緑青に変化した銅板屋根はとても風合いが出ていい材料だと言えます。亜鉛メッキ鋼板は、昔のトタンと呼ばれてきた材料でバケツやちりとりに使われてきました。最近はあまり見かけませんね。チタンはサビに強く硬質、軽量な材料で福岡ドームの屋根が有名です。
ガルバリウム鋼板に戻りますが、何故サビに強いのかを説明します。
通常、鉄が空気中に露出していると錆が発生します。しかし亜鉛メッキされた鋼板は鉄が露出しても、亜鉛が鉄よりも先に溶けだすことで鉄の腐食を防いでくれます。亜鉛が鉄をコーティングしてくれるんですね。これは鉄よりも亜鉛のほうがイオン化傾向が大きいことから起こる作用で、犠牲防食と呼ばれています。犠牲防食の作用が働くことで亜鉛は徐々に溶解され防サビ効果を発揮するのです。素晴らしい材料です。
一見、鉄に着色しただけのもので良いような気もしますが、建築の屋根や外壁を作ろうとすると現場で切り張り作業になるので、カットした鉄の小口が漏出します。そこからサビを発生するので犠牲防食のような機能が必要となるのです。実際、ガルバ以前はカラー鉄板(鋼板に塗装のみ)や塩ビ鋼板(塩ビ被覆)が主流でしたが、犠牲防食の性能には負けてしまいました。20年以上前、名古屋港近辺でたくさんの倉庫でガルバリウム鋼板を採用しましたが、このブログを書いていたら状況確認に行きたくなってきました。

今回はガルバリウム鋼板の素材について話しましたが、壁の張り方、屋根の吹き方、無数にあります。雑に扱うとそれなりに、丁寧に扱うと美しい材として輝きます。単にオシャレだなと思えるガルバリウムの外壁、屋根にも色々な技術的なノウハウが潜んでいます。板厚、張り方、ベコつき、寸法、防水の納まりなど、機能性と審美性の接点を探します。bandesignではオリジナルの葺き方で設計致します。こだわり満載なのです。
また機会を見つけて紹介したいと思います。

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