現在 bandesign では改修の案件がいくつかあります。そのうちの一つは体育館です。その施設の既存図面をお借りしたので、自社用にコピーを取ったり図面リストを作ったりしていました。その既存図の中にトレーシングペーパー図面がありました、
実はトレーシングペーパー(以下トレペ)図面を完成分一式で見ること、触れることは初めてのことでした。この建物の新築当時、昭和47年のものから直近の耐震改修の履歴分全てにトレペ図面が有り、直近以外のものは手書きの図面でした。古いものは紙が黄色くなり、端々に綻びが有りましたが、紙の感触は和紙のように柔らかくなり、そこに線も色もしっかり残っており、数十年前にこの図を作成した方々のエネルギーを感じました。紙は古くなっていても、そこにまっすぐ引かれた線、整った文字、数字の記載はとても美しいものでした。守秘義務が有りますので写真は撮れませんが、それを見ながら、建築が長く存在するのと同時に、図面もずっと残るものなのだと感じました。ずっと残るものをつくっている、ずっと残せるものをつくる責任があるのだと改めて感じ、背筋がピシッと伸びる気持ちになった次第です。