久々のブログ投稿!!スタッフの山下にブログを任せっきりで、しばらく書いていませんでした。(山下さん有難う..)というのも、最近は3000㎡オーバーの大型建築の設計監理、加えて日頃の住宅設計諸々でいっぱいいっぱいの毎日でした。大きいスケールの案件は文句無しに大変ですが、小さいスケールと言ってもやることの大半は一緒、精魂込めて仕事をさせて頂いている次第です。3000㎡の建築は独立してから始めてのスケールですが、前職前々職と携わっていたので今のところ大きな問題もなく進捗しています。設計監理に集中できているのは施主様、施工者に恵まれているからに違いありませんが、バックアップしてくれたスタッフにはかなりパンチの効いた仕事の連続で苦労を掛けたと思います。春には完成するのでまたレポートしたいです。
そもそも建築は人間の身体スケールを超えた規模である為に、初期の段階で決断したものがそのまま確認無しで進めることが出来ません。図面を書き始めの頃は、1/100スケール前後で書きますが、必ず人の姿を書き込んで想像します。(我が事務所では普段からそれを実行しています)私が若かりし頃師匠にそう教えられましたが、当時は手書きであった為、消しゴムをゴム印のように人型に削り込み、判子のように押印していました。私はスケールを味方につけたい為に、五十一君(1/50)、百一君(1/100)、二百一君(1/200)と名づけて机の中に忍ばせていました。(今はCADで図面を書くので彼らの出番はありません)
何故その行為が必要なのか?疑問に思う人もいると思います。それは完成形を想像することが困難だからです。想い描いた図面がそのまま実現!!なんて安易にしていると完成してみてあれれ??(↓↓の意味)ということもあるからです。なので普段からこれで良いのか?と自問自答しながら図面を書いています。勿論経験則というアドバンテージはありますが、単一的な仕事ではない為、殆どのことはこのスケールから逃れることができません。我々にとっては責任重大な作業と言えます。
CGや模型のスタディを繰り返し、あれこれ想像しながら図面を書きます。スケールが大きくても小さくてもその作業は同じです。現場監理の段階でもそれを確認し、微調整しながら慎重に進めます。経験則によってその確認作業の回数は減っていくこともあるとは思いますが、良いものをつくってやろう!と感じれば感じるほど確認と微調整の回数は増えます。迷うというより確認を繰り返すと言った方が合っていると思います。色の選定もその確認作業が必要です。小さなサンプルだけで決めると実物で大きくなって、あれ?こんな色だった?なんてこともあります。なので現場では、必ず大きなサンプルをとって確認します。
結局のところ、想像するイメージとピッタリ合うことは無いのです。図面を書いている段階のイメージをそのまま完璧に実現することが不可能なのです。それができないからそのギャップを埋めようと確認を繰り返すのです。そうなんです!!建築はスケールとの戦いなのです。
もし私が進撃の巨人だったら・・・もっと楽に建築をつくれるのになぁ。。重要なことを言っておきながら、つまらないオチですみません。笑