前回のブログに書きましたTate Modern のすぐ近くにあり、テムズ川に架かる Millennium Bridge について書きます。この橋はFoster + Partners, Arup,そして彫刻家の Anthony Caro によってデザインされました。橋の延長線上には古い歴史をもつセントポール大聖堂があります。
Tate Modernが有るテムズ川の南側はバンクサイドという地区で、Tate Modern が もともと火力発電所だったことからもうかがえるように工業地帯、倉庫街で今のような観光客で賑わう場所ではなかったそうです。そのバンクサイドを再開発する事業の一つとしてTate Modern の開館と共にこの橋の計画は進められました。この橋の特徴は通常の吊橋と異なり、テンションをかけているケーブルが橋の上ではなく両側面に有ることです。その機構は橋のデッキから2,3mの高さまでに抑えられています。この特別な吊り方によって橋から景色を眺める時にケーブルや柱などにより景観が妨げられることを回避しています。開通して1週間のうちになんと10万人もの人が渡ったそうですが、歩行者の歩行の振動と共振を起こし、わずか数日で閉鎖されてしまいました。その共振に対する対応としてダンパーを追加され、晴れて再オープンとなり、現在に至っています。下の写真でデッキの下にダンパーが写っているのですが、見にくいですね。写真が悪くてすいません。。この橋はスロープで登れるようになっており、車椅子の方でも利用しやすくなっています。
Foster + Partners のHP で鉄のリボンと表現されている通り、とても薄く、軽やかな形をしています。テムズ川に架かる他の橋と比べてみると尚一層、この橋のユニークさ、ハイテクさを感じます。
写真は順にHungerford Bridge and Golden Jubilee Bridges、Tower Bridge、Blackfriars Bridge、Westminster Bridge です。ロンドンは建築だけでなく橋も大変見応えのあるものでした。川の存在がロンドンに数々の橋を出現させ、その時代ごとの歴史や産業、技術を映し出していると思います。ロンドンの歴史と共に存在してきたセントポール大聖堂と再開発による新しい街を繋ぐMillennium Bridge は脈々と受け継がれてきた歴史と新しく発展し続けるロンドンの現在を繋ぐように存在していると感じました。
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