金属のすず100%で作られた籠をいただきました。
え?平らなのにカゴ?と思われるかもしれませんが、金属と言っても柔らかく、手で自在に形を変えて籠の形にすることができるというものです。
材料であるすず (錫) は融点が低く、柔らかくて加工がし易いという特徴があります。金偏に易いと書く字もよくその特徴を表してますね。また、錆に強く、鉄の塗装にも使われます。そうしたものはブリキと呼ばれガーデニンググッズにあるレトロな感じの銀色のじょうろがそれです。すずは加工性、防錆性、さらに抗菌性などの特性がよいため古くから日用品、工芸品に使われており、建材にも多用されています。
この籠は材料特性を活かし、高度な鋳物技術とあわせてできた素晴らしい工芸品だと思います。そして使い手にその使い方の自由と楽しみを与えてくれていると思います。
そうは言っても自由に形を変えることができる反面、一度変形させてしまったらもうこのように整った元の形には戻らないことを考えると、私はまだ惜しくて変形させられないでおります…。
使い手に使い方の自由と楽しみを与えてくれる物を眺めつつ、そんな空間をいつか実現したいと思っています。
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