赤レンガ建物

愛知県半田市に有る赤レンガ建物と呼ばれる建物を見に行ってきました。
この建物はつくられたのが1898年、つまり117年前につくられました。経済産業省に近代化産業遺構として登録されています。
赤レンガ1-   赤レンガ2

この建物はビール工場、倉庫として使われてきた歴史が有り、近年は老朽化等の問題で年に一度か二度、一般公開されるだけでしたがこの度、整備され、観光や文化発信の拠点として常時公開されるようになりました。117年も前のれんが造りの建物を耐震補強や改修工事することには様々な苦労があったようです。整備工事のあらましについてもパネル展示されており、その内容は見応えが有りました。
この建物は戦時中、飛行機工場の倉庫として利用されていたようです。その為か、戦時中に機銃掃射を浴びたようです。その跡はそのまま、生々しく残されていました。戦争遺構としても、大切に後世に残したいものと感じました。
ちょっと長くなりますが、もう少し。
私がこの建物で気になってのは窓面から室内まで1mは有ろうかと思われる分厚い壁です。
赤レンガ3
こんなに分厚いのはなぜでしょう?被弾しても貫通しないように?いえ、そうではないようです。
実は壁の中は2〜5層の空気層になっており、室内の温度、湿度の調節をし、断熱を計っていたとのことです。確かに、建物がつくられたのは明治時代、大きな空調システムやビールを冷やす冷蔵システムも無い中での室内の温熱環境を一定に保つ為の工夫だったのです。ちなみに断熱材の代わりはおがくずがつめられていたとの事。。。外気温の影響を受けずに、室内環境を良好にするためには気密性の高いサッシ、良質な断熱材など最新技術や製品がいろいろ有ると思いますが、明治時代でも工夫によってそれを実現しようとされていたのを見て感動しました。
マルシェやビアガーデン、様々なワークショップも開催されるとの事で、地域の文化や歴史を伝え、且つ賑わいを創出する施設で有り続けてほしいと思いました。