先日小さな住宅が2棟着工しました。1棟は義弟の家。義理の両親の敷地内に離れを建てる計画。でも建築基準法的には実のところ離れではない。風呂もトイレもキッチンも設置された完全な住宅、しかし離れ的に機能する。身内の家なので込み入った話も受け入れ(込み入った?)出来る限り双方の要望を汲み取った計画しました。離れとは・・・
と一時はお経のように唱えながら考えた作品で、間口が極めて狭い敷地で双方のプライバシー、光と風の環境を成立させる為に壁を駆使して距離(離れ)を実現しました。20数坪の小さな家ですが力作です。途中、力を入れ過ぎて図面を大幅修正したりしましたが、ようやく着工に至りました。
タイトルは、(仮称)The Distanse。頑張って完成させたいと思います。
もう1棟は、友人夫婦の子供4人男兄弟の勉強部屋。これも狭い敷地に6.5坪の建坪。当初の要望は長男、次男の二人用の部屋でしたが、普段4人で仲良く遊んでいる姿を見ていたので、兄二人だけは可哀そうじゃない?という私の意見からあれこれ検討が始まりました。結果、6.5坪を立体的に4人が使用できるように計画しました。(言葉では言い表せないので完成した後伝えたいと思います)タイトルは(仮称)Brothers。末永く、大人になってからも、この建築で育ったことを思い出せるようにとの気持ちで計画しました。
実は他にも小さな建築を計画中です。洋服店にロフトを作ります。商業建築ということもあり、クリエイティブな挑戦をしています。市販の材料を新しい構造解釈でアグレッシブに構築します。内容は秘密です。。(笑)マンションのリノベーションも計画しています。新築住宅よりも随分と小規模です。普段の生活機能も建築としては必要だが、何も無い空間も良い、憧れる。(そうですね、私も憧れます。)そんな施主様の要望と我々の希望が合致してか、相反する要望にも関わらず、良いアイデアが浮かんできました。これも実現したいと思います。
これらは非常に小さな建築達ですが、小さな規模でも我々はかなり本気で取り組んでいます。(笑)その昔、前職、前々職では大型建築を携わっていたこともあり誤解を受けがちですが、その熱意はどれだけなのか?文面では伝わり難いので、完成した暁には作品を是非見て頂きたいと思います。
窮屈な敷地、小さな規模、矛盾している要望など、ネガティブをポジティブに変えられる瞬間こそクリエイティブなのでは??と感じている今日この頃です。