前回の投稿に続き金沢の話題です。金沢21世紀美術館へ行ってきました。
目的はこれです。
ジャパン・アーキテクツ 1945-2010
3.11以後の建築
どちらも内容が多く、
まだCADがない時代の、しかし精巧、緻密な手書きの図面が枠におさめられていたり、スケッチやスタディ模型が有ったりと見応えの有る展覧会でした。額におさめられて展示されていた手書き図面はまるで絵画のような美しさや力を感じました。魂がこもったものから発する目に見えない力のようなものを発していていました。
一方、「3.11以後の建築」を見ながら、抗えない自然の力が牙を向き、絶望の後に、それでもその場所で生きて行くために何が必要かということを考えました。頑丈な建物、防波堤、高台の住処、それらも確かに必要でしょうが、その場所で生きていこうと思える希望が必要なんだと思いました。希望というと曖昧かも知れませんが生活を支えるもの、安心感を得られる場やそれを活かす取り組みだと思います。そしてそれはつくる側も使う側も共に展開していくことで、成立するものです。建築や建築家がそれをベースメントにしつつもその枠を超えて人を支え、少しでもよくしようとする取り組みがたくさん紹介されていました。
私は建築の知識も技術も学ばなければ行けませんが、常々、どうすれば人の為になるか、人を支えられるか、自分に何が出来るかをもっと考えていたいと思いました。
デザインはコミュニケーションだ。という言葉を最近聞いたのですが、まさに、人を思いやり、人の幸せの為に考え、つくることがその言葉が示す一片だと思いました。
さて、長くなっていますがもうひといき。
安藤忠雄先生の講演会に参加してきました。
安藤忠雄講演会「地方都市の可能性をつくる」
作品が実現するまでのエピソードや持論を聞くことが出来ました。
その中で印象的だったのが独立自尊の精神が大事というお話です。
独立自尊とはあの福沢諭吉の思想であり、後に編纂された修身要領という教訓集に書いてあるもののようです。私はすべてを知りませんが、安藤先生曰く、「自分で考え、勇気を持って挑戦し、失敗しても自分で責任を取る、その繰り返しで人の為に、世の為になる行いをせよ」とのことでした。
建築の話というより精神論ですね。建築方面での狭義なものではなく、多くの人が聞き入った内容だったと思います。話は終始面白く、聞きやすく、とてもよい時間を過ごせました。ミーハーにも、書籍にサインをいただいてきました。
良い旅になりました、今週も自分に出来ること、すべきことに取り組んで行こうと思います。昨日は名古屋でも雪が舞い、金沢ではすっかり雪が積もり冬景色になっているようですね。とても内容の多い展覧会でしたのでもう一度行きたいと思っています。